VRと空間データ活用のヒントが見つかる

物件をVR 内見!メリットや注意点、導入している不動産・賃貸事業者を紹介

不動産事業者のVR活用が急速に増えています。
「スペースリー」が2023年に500名の不動産事業者を対象に行ったアンケート結果では35.7%がVRを利用中・利用予定と回答されました。3社に1社様が利用を推進しています。

では、不動産事業者がVRを活用する理由はどのような点にあるのか。
ここでは最も一般的な活用方法である「VR 内見」の基本をご紹介しつつ、メリットや注意点、不動産事業者の成功事例を掲載していきます。

(2023年7月27日更新)
 


※スペースリーの不動産物件のVRサンプル。具体的な不動産のVR活用事例はこちらの資料をご参照ください。

なぜ不動産VRで売上が前年比2倍に?

【累計6,400の不動産事業者がダウンロード】賃貸管理・賃貸仲介・売買仲介27社がVRを活用して売上・業績UPさせたノウハウをまとめた成功事例集を無料プレゼント!

 

 

1. VR 内見とは

1-1. そもそもVRとは?

VR

VR(バーチャル・リアリティ)は、「仮想現実」とも呼ばれ、目の前に広がる3次元の空間を使って、現実のような体験を提供する技術です。この技術により、実際に存在しない場所や時間を仮想的に体験することもできます。

例えば、VRを使って海の中を泳いでいるかのような感覚や宇宙を探索しているかのような体験をすることもできます。これは、特別なヘッドセットやゴーグルを使って、リアルなように仮想空間に没入することで実現します。

Meta(Facebook)社がVRに力を入れはじめてから、VR市場は投資やサービス開発が急速に進んでいます。スマートフォンに装着する簡易的なVRデバイスから(ダイソーの500円のVRゴーグルが一時期話題になりましたね)、本格的なVRゴーグルまでさまざまなデバイスが存在します。

最近ではアップル社が「Vision Pro」というVR/ARゴーグルを2024年に発売することで話題になりました。アップル社の参入により、VR市場はより拡大していくでしょう。

VRは、ゲームやエンターテインメント、教育や研修、不動産業界などで利用され、VRならではの体験はビジネスにおいても効果を発揮しています。

参考リンク:
VR(バーチャルリアリティ)とは?〜3大必要条件と必要な機材のコスト〜

 

1-2. VR 内見の種類

このようなVRの技術を使い、物件をVRで内見することを、通称「VR 内見」と言います。実際に現地物件に行かずとも、その場にいるような感覚で物件が内見できるようになります。

一方で、昨今の不動産分野でのVR活用は360°カメラで物件を撮影して、バーチャルツアーとして提供することが多いです。入居予定者はバーチャルツアーのURLをタップするだけでスマートフォンやタブレットなどでオンライン内見ができます。

以前は、VRゴーグルやVRグラスを活用することもありましたが、現在はこのバーチャルルームツアーが主流になっています。


※スペースリーの不動産物件のVRサンプル。具体的な不動産のVR活用事例はこちらの資料をご参照ください。

 

2. VR 内見の3つのメリット

そろそろVRはじめませんか 第4回 – 不動産VR導入の効果

VRやメタバースを不動産分野において活用するメリットは多岐にわたりますが、ここでは「VR 内見」にフォーカスして3つのメリットをお伝えします。

VR 内見の店舗での利用も、オンライン内見としての利用でも、同じ効果があり、不動産の賃貸や販売などどちらにおいてもメリットが感じられる内容です。お客様への「物件案内」の満足度が上がりますので、ぜひご覧ください。

参考リンク:
そろそろVRはじめませんか 第4回 – 不動産VR導入の効果

 

2-1. 現地での内見数を減らして不動産事業者の業務効率化や営業稼働率アップ

不動産分野でVRを活用したオンライン内見

現地物件の内見業務は不動産事業者にとっても、お客様にとっても多くの時間が取られます。1日で複数の物件を見る場合は移動時間だけで2時間以上かかることも多々見られます。

一方で、VR 内見を活用すれば、気になる物件を事前に確認して、特に興味がある物件のみに絞り込むことが可能なため、内見する物件数を減らすことができます。また、興味度合が高い物件のみを現地で内見するため成約率も高まります。

実際、VR 内見を活用することで、従来の成約率が40%から60%(1.5倍UP)した不動産事業者の事例もあります。

 

2-2. 空室期間を削減!空室率を減らして物件の回転率をアップ

空き予定の物件でありながらも、まだ入居者が住んでいるため、内見ができないケースも多く見られます。このような場合、事前に物件をVR化しておくことで、入居者がいる数ヶ月の期間にもVR 内見で案内ができるため、空室期間を大幅に削減できます。

実際の不動産事業者の事例ではVR活用によって空室期間を90%削減できた事例も出ています。


※スペースリーの不動産物件のVRサンプル。画面の「Switch」のボタンを押すと、ホームステージング後の写真が表示されます。VRを使うとこういったことも可能です。具体的な不動産のVR活用事例はこちらの資料をご参照ください。
 

また、築年数やエリア、賃貸条件などによって空室対策が難しい物件もあります。そのような場合は、バーチャルホームステージングを活用して物件の訴求ポイントを際立たせることで、長期間空室であった物件が契約となる成功事例も出てきています。

参考ページ: バーチャルホームステージングを体験

 

2-3. 「全然思っていたのと違う…」を回避!お客様の満足度もアップ

内見数が減ることはお客様にとってもメリットです。静止画とイメージが異なる実物件を多く内見するのはお客様の満足度低下にもつながりかねません。

VR 内見であれば、物件を隅々まで見ることができますし、雰囲気や広さ、お風呂の状態やコンセントの位置までわかります。お客様はVR 内見用のURLをクリック(タップ)するだけで、いつでも、何度でも気軽にバーチャルルームツアーが体験できますので、顧客満足度アップにも貢献します。

VR 内見の便利さを体験したお客様が、知り合いのお客様を紹介してくれ、成約数が増えた事例なども出ています。お客様の満足度向上はこういった紹介数アップにもつながります。

 

なぜ不動産VRで売上が前年比2倍に?

【累計6,400の不動産事業者がダウンロード】賃貸管理・賃貸仲介・売買仲介27社がVRを活用して売上・業績UPさせたノウハウをまとめた成功事例集を無料プレゼント!

 

3. VR 内見の2つの注意点

今後の技術の進展やVR内見の利用が進化することで軽減されていく可能性は高いですが、現時点では以下のような点への注意が必要です。

3-1. 伝えられることには限りがある

まだまだ内見がゼロになるという事は現実的ではないでしょう。手触り感とか、温もりやちょっとした雰囲気は、実際に内見しないと感じることが難しい部分もあります。また、安心感という意味でも決める物件は実際に内見したい、というお客様も多いです。

VRで分かることはVRに任せて、実際の現場でしか分からないことは現場で見て、感じてもらうというのが大事です。お客様の意思決定を効率的にアシストするツールとしてVR内見を上手に活用する、という姿勢が重要です。

 

3-2. 撮影含めた導入のコスト

不動産分野でVRの導入がすすむ理由と具体的な導入方法

メリットもありますが、導入にあたり、VRコンテンツを制作するための撮影などの手間がかかります。また、写真と同様、撮影者のスキルによって綺麗に撮影ができず、本来の魅力が伝わらないことにもなりかねません。他の事業者に頼むとそれはそれでコストとなり、自分たちでVRコンテンツを制作する場合には気をつけましょう。

360度カメラは2-7万円の金額間、一脚は「SLIK一脚兼簡易式三脚」などシンプルなものは5,000円以下の価格で購入ができます。

ただ、ちょっとしたコツで簡単に上手に撮影は可能ですし、ポイントを抑えて慣れてくれば、360度カメラでの物件撮影自体は、手間としてはワンルームや1LDKほどの広さだと10分ほどで可能です。気になる方は、以下のような記事も参考にしてください。

参考リンク:
不動産VR用360度写真をきれいに撮影するための5つのポイント

また、VRコンテンツを制作するためのソフトウェアや、360度カメラなど、導入コストもかかります。このような点も考慮して、メリットが大きくなりそうという場合には、VR内見を導入、テスト導入して検討を進める、ということになるでしょう。

 

4. サービス提供会社とVR 内見の導入会社

4-1. サービス提供会社

VR 内見をできるようにするためのサービスを提供する会社も増えてきました。弊社Spacely(スペースリー)以外にも、ナーブ社のVR 内見、リコー社のTheta 360.Biz、GMOの関連会社が運営するパノクラウドVR(Panocloud VR)、石川県のZENKEI360などあげられます。もちろんそれぞれに特徴がありますし、導入にあたってはその違いをよく理解して検討することが必要になるでしょう。

4-2. 導入会社

実際にVR 内見を導入する不動産会社が増えてきました。弊社が開発しているVRコンテンツの制作編集ソフトウェアSpacely(スペースリー)を導入いただいている事業者数ですと、2023年7月現在で9,400を超え、東急不動産三井レジデンシャルリース三菱地所プロパティマネジメント生和不動産保証東京建物モリモトミサワホーム不動産日本財託リオソリューションズなどで不動産販売や管理、不動産の仲介や賃貸まで幅広く利用されています。

他にも、オフィス物件に特化しているオフィスナビ、恵比寿渋谷地区を中心に高級物件を扱うミブコーポレーション、リノベ物件を扱うgoodroom(グッドルーム)、地方では、VR内見を積極的に活用している事業者として岡山・広島・兵庫を中心に展開するケイアイホームや、京都を中心に賃貸マンションの管理や仲介を展開する長栄など様々なところで利用され始めています。

また、ナーブのVR 内見は東急リバブル大和エステート三菱地所などで、Theta 360.bizは、住友不動産ウチコミ、パノクラウドVRは名古屋の不動産会社ニッショーで導入されています。
導入する事業者も部署によって、不動産販売なのか賃貸なのか、新築戸建てやオフィスなのかなどそれぞれの切り口で複数のサービスを利用する、テスト導入しているように見受けられます。

 

5. VR 内見まとめ

VR 内見を利用する不動産事業者は急速に増えています。もちろんVR 内見は万能では無いですし、それを不快に感じる方もいるなど注意点もありますが、特に地方など遠方から引っ越す方や海外の方に向けては十分なメリットが期待できますし、実際に海外の方への賃貸物件や投資家向けの物件などでは、VR 内見だけで実際の内見をしなくても成約するケースというのも不動産事業者から聞くようになりました。

また、スマホは多くの方がすでに持っていますが、VRゴーグルやVRグラスはまだまだこれからの普及です。VRゴーグルやVRグラスがより一般に普及していくと、家でもVR内見という方達も増え、より便利なオンラインでのVR内見というのが広がっていくことになるので、今後に期待ができますね。

参考リンク:
VRで不動産を内覧!360動画をつかったバーチャルリアリティの活用

最後までお読みいただいてありがとうございます。

不動産業界のVR活用方法については以下の記事をご覧ください。
VR不動産7選!不動産分野におけるVR活用法を事例とともにご紹介!

SNSでフォローする