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360度カメラでライブをビデオ撮影してみてわかったこと。

Photo by Bryan Lee on flickr

360度カメラで話題に上がるのが、ライブの360度撮影撮影です。
なんとなく活用のイメージがしやすく、すぐにでも流行りそうな気もしますが、撮影という面ではどうなのでしょうか。

今回は360度カメラでビデオ撮影を試してみて、わかったことをまとめてみます。
今回使用した機材は、Nikon KeyMission360と、Samsung Gear360です。
Ninjabeats木村新さんの協力のもと、バースデーライブにて撮影を敢行しました。

事前準備

まず、ライブ撮影ということで、当たり前ですが、動画撮影の許可や撮影場所のすり合わせをしておく必要があります。
特に、どの場所でライブ撮影するのが一番360度を活かせるのか、きちんと相談できればベストです。客席の真ん中なのか、ステージ後方なのか、撮影ポイントによって随分変わってきます。
今回は、主催の方のご好意で、ステージ上に置かせてもらいました。

撮影で気をつけるところ

・最大の敵は持続時間

最初に結論だけ書いてしまうと、
360度撮影でビデオを撮るときは本体温度に気をつけろ!
ということに尽きます。
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今回二つのカメラを用いてライブを撮影しましたが、いずれも15分が限界でした。
15分経つと、「本体が高温になったため撮影を終了します」「高温のため電源を切ります」
といった表示が出て、撮影できなくなります。
本体が高温になって撮影できなくなる問題は事前に知っていましたが、一曲ごとに分割すれば大丈夫だろうとたかをくくっていました。ただ、曲が連続で続くこともありますよね!そんな時はその一曲を諦めて撮影を止めましょう。筆者みたいに電源が切られてその後の曲が全部撮影できなくなるよりはマシです。10分を超えたら消すつもりでいてください。
本体が高温になって撮影できなくなる問題が一番シビアです。

また、KeyMission360に限っては、4GB以上の動画は勝手に分割されます。
だいたい7分前後で動画が分割されてしまうのでご注意を。
できる限り7分以内で一回動画を切りましょう。

・ライトの当たり方に注意!

盲点だったのがこの、ライトの当たり方でした。
今回使わなかったリコーシータを始め、Nikon KeyMission360,Samsung Gear360はいずれも魚眼レンズを二つつけることによって360度の撮影を可能にしています。ただし、光の直射には弱いのです。
ライブハウスでは、出演者の前後、特に後ろからかなり強い光が当たります。今回はこのライトの直射を受けてしまった結果、片方のレンズに膜が張ったような光が入ってしまいました。
スクリーンショット 2016-12-28 0.17.31
(レンズの境界ではっきり色が変わってしまっています。)

これはリハーサル時はわからない場合が多いというのも怖いところです(リハーサルで本番と同じライティングをすることは稀なため)。
光が当たりにくいところで撮影する、もしくは光を斜めに受けるようにカメラを設置することである程度は解決できるはずです。

・カメラを置く位置

当たり前ですが、カメラを置く位置もとても重要です。
ステージ上でも、どの視線で出演者が見えるとVRで見た時に一番楽しいのか、考える必要があるでしょう。最初はステージ後方中央と、後方右側に設置したのですが、360度撮影であることを生かし切れませんでした。ただ、出演者の背中が見えるという意味では面白さもあります。
やはり演者の顔が見える位置にカメラを置けると面白い映像になりそうです。一般的な構成のバンドであれば、ドラムの前あたりに設置できると面白いのかもしれませんが、もしかしたら邪魔になってしまうかもしれません。

バンドを真後ろから撮影した動画キャプション

バンドを真後ろから撮影した動画キャプション

客席の真ん中に設置して、雰囲気を分かってもらうというのも面白そうですが、お客さんの動きを考えるとあまり現実的ではなさそうです。
また、前述の光の当たり方についてもある程度考えておく必要があります。
ステージ上のライトは下向きなので、ライトに近い位置だとかなり直射され、光のトラブルが起こる危険があります。

その他、気になったことを挙げていくと、
・容量・電池が不安
今回の撮影では、64GBのマイクロSDカードを使いました。きちんと動画を消してあれば十分な容量ですが、問題なのは、バンドの演奏が終わった後などに中身を確認して動画を消す余裕があまりないことです。
360度撮影の動画は、かなり重いです。だいたい1分で600MBくらいになります。
およそ100分が動画撮影の容量の限界だと思ってください。
また、電池も若干怖いところです。Gear360もKeyMission360も給電しながらの撮影はできません。持続時間はそれぞれ2時間強と70分程度ですが、不安は残ります。
今回筆者は特別に楽屋を貸してもらいましたが、電池の問題は常にあると思っておいてください。

・音質の問題
音は、別撮りして加えるのがベターです。
Gear360、KeyMission360は、いずれも最高の音を録る目的の機材ではありません。基本的にはスマホのマイクと大差ないと思ってもらって構いません。
と言ってもマイクの性能はそこまで悪くないため、音量が大きすぎない場所なら使えます。今回はかなり音量の大きい演奏でしたが、思ったより音割れ等していなかったというのが正直なところです。

まとめ

上に書いた通り、撮影してみて反省した点は多々あります。
ただ、強く言いたいのは、360度でのライブ映像はかなり楽しい!
ということです。高価なカメラを使ったわけでもないため若干拙さがある映像ですが、ライブに行けなかった人、ライブを思い出したい人にとっては、かなり鮮烈な体験になると思います。とくに、スマホゴーグルで見てみるとかなり臨場感があります。
こうした360度のライブ映像が販売されたり、購入者特典になったりするのも近い未来かもしれませんね!

参考リンク:
360度カメラでの撮影についての記事一覧
360度カメラでの写真・動画撮影について興味がある方はこちら

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