VRと空間データ活用のヒントが見つかる

Gear 360を使ってFacebookやYouTubeで360°動画をライブストリーミングする方法

6月から日本でも正式な発売が始まった新型のGear 360(ギアー360)。以前の記事(これは買いか!iPhone対応、高性能で安価な新型サムスンGear360(2017年モデル)のレビューでも紹介した通り、新型Gear 360はライブストリーミング機能を備えています。Insta 360やリコーシータSは既に対応しているライブストリーミング機能ですが、Gearでのストリーミングの使い心地はいかがなものでしょう。
早速試してみたのでレビューしたいと思います。

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1. スマホのアプリから配信できる!

リコーシータSを使ってライブストリーミングをしようとすると、パソコンから配信する必要があり、外出先などで気軽に360度動画の生放送はできませんでした。それに対してGear 360では、スマホアプリ側からそのまま配信することができるようになっており、配信へのハードルはぐっと下がっています。

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アプリを起動すると、写真のようにライブストリーミングのメニューが追加されており、ここをタップすることでYouTubeかFacebookからライブ配信することが出来ます。

2. まずはYouTube

まずはYouTubeでのライブ配信を試してみました。Googleアカウントでのログインを済ませれば、すぐに配信をスタートできます。

生放送の配信開始前には、通常撮影するときと同じく、どの画角を映すかを選択できます。リア、フロント、デュアルの3つで、デフォルトだとデュアルに設定されています。前だけを映したい場合などはここから設定を変えましょう。

ちなみに、設定画面からカメラの画質を変えることも出来ます。
デュアルレンズの場合は1920×960(30fps)に固定されていますが、シングルレンズでの配信の場合、1980×1080(30fps)と1280×720(30fps)のふたつから画質の変更が可能です。

また、ユーザー追加ボタンから配信へのリンクを送る相手を追加することができます。電話番号を追加して保存しておくと、配信の開始時に自動でその番号にSMSが送信されるという仕組みです。手間をかけずに配信をシェアできる便利な仕組みとなっています。

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配信開始後は、右上にある共有ボタンを押すことでシェアすることもできます。TwitterなどのSNSでURLをシェアしたいときに便利ですが、操作を行うと配信は一時停止されてしまうので注意しましょう。

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ストリーミングの公開範囲の設定には注意が必要です。「全員に公開」 すると、誰でもYouTubeから放送を見ることができるようになりますが、360度動画の配信では思わぬ物や人が映り込んでしまう可能性が高いです
周りの人のプライバシーにも配慮して、可能な限り限定公開での配信を行うことをおすすめします。

3. 再生してみるとどんな感じ?

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YouTubeでの配信なので、パソコン・スマホのどちらからでも視聴が可能です。

スマホからであれば、写真のように右下にVRモードのボタンも出てくるため、VRゴーグルをつけてのVR体験も可能になります。ライブ動画をVRで見るというのはなかなか新鮮で面白い体験ですが、配信者がGear 360を手で持っているような場合は視界が揺れるためかなり酔います。カメラをどこかに固定しての配信が望ましいでしょう。

再生側から画質を選ぶこともでき、最大で1080pでの再生が可能でした。が、回線のためか、自動で設定された480pでも放送がカクつく・止まることがしばしば。Wi-Fiに接続していてもこれなので、外出先でストリーミングしたらどうなってしまうのでしょうか…。要検証です。

ちなみに、360度動画の読み込み・配信はどちらもかなりの通信料がかかります。速度制限には十分に気をつけて使うようにしましょう。

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配信終了後はこのような画面が表示され、そのまま動画をアップロードしてYouTubeに残すことも可能なようです。

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4. Facebookでの配信

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基本的な操作はYouTubeでの配信と同様です。Facebookにログインして、配信の公開設定を変更してからスタートします。

選べる公開範囲は、全体に公開、友だちに公開、自分だけの3つ。自分だけ以外の公開範囲を設定すると、自動的に配信している旨が自分のFacebookページにアップされるようで、Facebook上の友だちが配信を見られるようになります。

ちなみに筆者の環境では、ストリーミングを開始したという通知がFacebook上の友だちに行くまでに時間差があったようで、見られている人もいれば見れない人もいるという状態が5分ほど続いていました。Facebook側の問題なのか回線の問題なのかはわかりませんが、注意が必要です。

YouTubeの配信と違って面白いところは、ライブ配信の動画上でコメントのやり取りができるところです。絵文字スタンプを押すこともできるので、YouTubeでの配信に比べてリスナーとのコミュニケーションが取りやすいように思います。

残念だったのは、YouTubeと違ってVRモードに移行することができないところ。Galaxyで再生したので、もしかしたらGear VRでそのまま再生できるかも…と思ったのですが、VRに移行するようなボタンは見つけることができませんでした。

画質はYouTubeと同じく、最大で1080pの選択が可能です。また放送終了後、YouTubeと同様に動画を保存してFacebookに残すこともできます。

5. 気になる電池の消耗は?

今回、YouTubeとFacebookでそれぞれ約10分ずつストリーミングを行ったのですが、20分でGear 360本体の電池残量は100%から68%になっていました。予備バッテリー無しに長時間のストリーミングを行うことは難しそうです。

もっと問題だったのは、ストリーミングをホストするGalaxy本体のバッテリー消耗と発熱です。およそ20%がなくなってしまい、本体もアツアツに…。これからの季節に野外で360度動画の生放送をしようという方は、冷却用に何かしらの対策が必要かもしれません。

6. まとめ

まだまだ発展途上の360度カメラということで、試しに使ってみると実用には難ありな部分もあったのは事実です。特に外出先では、バッテリーの消耗やネットワーク環境に気を払う必要があって、気軽に使える機能ではないかもしれません。

しかし360度動画ストリーミングには、バッテリーの持ちなんて気にならなくなるくらいの面白さがあります。自分のいる空間そのものを、リアルタイムでシェアできるというのはなかなかない経験です。ぜひ一度試して頂きたいと思います。

参考リンク:
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